Monday, September 17, 2018

八ッ場ダム見学会 2日目(9/4)

(文責:B4西原)

八ッ場ダム見学会の2日目は,午前に土木研究所の山口先生からダムの基礎的なことから最新の技術紹介までダムの知識を幅広く教わった後に,世界でも珍しい中和事業を行っている品木ダムを訪問した.

・品木ダム
草津は温泉街で全国的に有名であり,その中心部に位置する湯畑からは昼夜問わず”温泉の匂い”(硫化水素など)がする.しかし,草津周辺一帯のそのような強酸水は農業用水や生活用水には使うことができず,またコンクリートもすぐに腐食してしまうためダムだけでなく橋も架けられない状態が続いていた.そこで行われたのが,世界的に見ても珍しい「中和事業」である.硫黄分を多く含む水に石灰石(炭酸カルシウム)などを投入することで弱酸遊離がおこり,硫酸塩が沈殿してpHが7に近づく.一日の投入量は約50トンで,投入する石灰石は近くの山から運んできているとのことだった.
その石灰石を貯蔵するタンクの大きさを見て,自然を制御することの大変さを感じることができた.
左が処理前,右が処理後.pH1程度だった水がpH6程度に中和されていることが分かる.

石灰を含んだ水を川に投入している様子.手前側から奥の方に流れているのだが,石灰を投入した後は中和生成物によって白濁している.


・八ッ場ダム見学会全体を通しての感想
私は今回で八ッ場ダムを訪問するのは4回目であったが,堤体の上流側に入ったり採石場を見に行ったりすることは初めてであった.そして改めてダムという人間がつくる最も大きな建造物の迫力に圧倒されるとともに,ダム現場で実際に施工や指揮に携わる人々の苦労であったりやりがいであったり,少しお酒が入ったときには利害関係者への恨み話であったり,そういった生の話を聞くことができてとても楽しく2日間を過ごすことができた.

今回のダム工学会若手の会は若い土木技術者にダムの魅力を知ってほしいという目的で開かれているとのことで,貴重な機会を作ってくださったことに感謝するとともに,私も土木を学ぶ一人として微力ながらダムの魅力を多くの人に伝えるべくこれから努力したいと思う.
集合写真(土木研HPより)



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