「災害と貧困、持続可能な開発を考える」
昨年の国連サミットで採択された「持続可能な社会のための目標(SDGs)」の最優先課題は 貧困の撲滅です。貧困問題は多面的であり、その解決に向けては、増大する人間活動や社会の変化に加えて、気候変動や頻発する災害など複雑な諸問題に対する総合的な理解が必要です。そこで本セミナーでは、ロンドン大学開発学研究所のベン・ワイズナー著『At Risk』の日本語版を輪読することで、災害を切り口にして貧困と持続可能な開発について考えることを目的とします。本書は、現在の防災・減災の重要概念であるレジリエンスの概念を生み出すことに貢献しました。
本セミナーの受講により、グローバル化が進行する地球社会を俯瞰図的に捉えるための「一つのものの見方」を取得することで、特に発展途上国での防災・減災についての通念が大きく広がることが期待できます 。具体的には、上述の概念モデルを学びながら、タイやミャンマーの貧困問題を事例にして本テーマの理解を深めるとともに、今後社会基盤学として取り組むべき課題について議論します。開発・経済の専門家によるゲスト講義も予定しています。希望があれば、夏休みに現地調査旅行も検討します。
参考図書:
『防災学原論』(岡田憲夫(監訳), 2010)(原著『At Risk: Natural hazards, people’s vulnerability and disasters』(Ben Wisner et al., 2004))
内容:
第一回:貧困と災害:東南アジアの事例研究1
第二回:脆弱性とは何か
第三回:因果関係の連鎖:災害のPressure and Release Model
第四回:資源へのアクセスと逆境の克服:資源アクセスモデル
第五回:洪水と脆弱性
第六回:飢饉と自然災害
第七回:貧困と災害:東南アジアの事例研究2
第八回:社会基盤学としての貢献
※ 日程は参加者と相談して決めます。
※ 履修登録が間に合わない場合は、学期の終わりに追加登録します
連絡先:
ガイダンスを05/09 (月) 12:15-13:00@一号館セミナーC(2階242)で開催します(ランチ持参でどうぞ)。参加希望者、もしくはガイダンスは参加できないけど関心のある方は05/08までに川崎までご連絡ください。質問なども気軽にご相談ください。
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