Tuesday, August 23, 2016

2016サマープログラム 感想2

社会基盤学科学部3年の塩澤拓斗です。

 先日、投稿した同期の荒木君と一緒にサマープログラム『ビッグデータ時代における持続可能な水管理』に参加しました。僕ら日本人2人を含む20名近くの人数で、2週間かけて水管理について学び、議論するというサマープログラムでした。水管理および地理情報システムについて関心があったため、今回のプログラムに参加することを決めました。

 今回のプログラムについて強く感じたことを2点ほど簡単にまとめて記したいと思います。


 1つ目は、水問題について、じっくりと時間をかけて取り組めることが、何よりもこのプログラムの良いところであるということです。世界の気候変動の背景についての講義を聞き、気候変動をどうやってデータ化してGISで分析するかを実践する。また、実際にダムや外郭放水路を訪ね、水管理の現場を体験する。このように「水」というテーマに沿って、集中して学ぶことができたことは非常にありがたい機会でした。学部の授業では社会基盤においての教養を身につけることに主眼を置いた教育がなされ、学期中の日々は授業の課題によって忙殺されます。自分の興味のある分野について腰を据えて学ぶ機会がなかなかありません。そのため、今回のプログラムは水分野に興味がある自分にとっては、じっくりと取り組める素晴らしい機会でした。

 東京大学社会基盤学科主催のサマープログラムということで、参加者のほぼ全員が土木専攻ということも大きなメリットでした。やはり、土木という共通言語をもって議論することの面白さが今回のプログラムにはあったと思います。僕たちのような学部3年生は、まだ研究室に配属されておらず、そのような機会に恵まれていないため、うれしい機会でした。


 2つ目は、参加学生のバックグラウンドの多様さと学びへの姿勢です。今回は、アジアの学生が多く、特に大学院の学生が多かったです。専門的知識を持っていることに加えて、それを英語でアウトプットし議論することのスキルが非常に高く、何とか議論についていくことが僕にはやっとでした。各人のバックグラウンドの違いによる考え方の違いが議論をより良いものにしていたと思います。僕と年齢の近い学部生も何人かいたのですが、「Ph.Dのアメリカでの取得を考えているよ、むしろ何故君はPh.Dを取るつもりがないの?」というような学部生も何人かいて、学問に対するモチベーションの高さを感じました。日本と海外における博士号の価値の違いはあるにしろ、きちんと自分のキャリアを考えて、かつ、学問に情熱を持っている学生が国外にはこれほどいるのかと感銘を受けました。東大の社会基盤学科は近年は工学部屈指の人気学科であり、優秀な学生が集まってきていると聞きます。実際、優秀であったり器用であったりする人が多いと僕自身も肌で感じています。しかし、「○○についての研究者になりたい」や「世界で活躍するシビルエンジニアになりたい」と豪語する人は多くはありません。海外学生と話す中で、東大の学生ももう少し、土木に対して正面からぶつかってみてもいいんじゃないかなと感じさせられました。


 今回のプログラムは非常に充実したもので、今年の夏の良いスタートとなったと感じています。サポートしてくださった方々には非常に感謝しております。



<2016サマープログラム 感想その1>
http://kawasakilab.blogspot.jp/2016/08/summer-program-2016_13.html

<2015年のサマープログラム報告>
http://kawasakilab.blogspot.com/2015/09/summer-program-727mon-utokyo-hongo.html?m=0




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