Thursday, June 20, 2019

雨季のミャンマーで初調査!

こんにちは!川崎グループ所属,修士1年の西原です.
先日,6/12~17にミャンマーにて現地学生との研究報告,および洪水常襲地区でのアンケート調査を行ってきました.私にとっては3か月ぶり3回目のミャンマー訪問で,雨季に訪問するのは初めてでした.飛行機から降り立った時,前回2月に訪問した時はめっちゃ暑い~という感じでしたが今回は蒸し暑い~という印象でした.

事前に輪読した本

今回の訪問は前回までとは異なり,事前に発展途上国の農村の貧困についての著名な書籍を輪読形式で読んでから現地に赴き,現地の学生とワークショップを行って議論した後に,実際に農村を訪問するという形式でした.ワークショップでは,貧困地区の住民が日々の支出を賄えないことについて,その原因を現地学生とともに議論しました.そのなかで,輪読を行った際に取り上げられていた原因のなかでも私たちと現地学生の思う主要な原因は異なることが分かり,貧困に対する価値観を正すことができました.
ワークショップの様子

ワークショップを行った後は,バゴー川の近くの洪水常襲地区でアンケート調査を行いました.当該地域は2018年の洪水で1m以上の浸水があった地域であり,住民の方に聞いたところ,みな揃えて腰から胸のあたりまでを指していました.客観的に考えてみれば1mもあれば胸まで浸かるのは当たり前のことなのですが,実際に浸水した家屋と住民を前にその事実を知ると浸水時の暮らしがいかに大変かが想像でき,私たちが行っている観測システムの整備,あるいは洪水と貧困の関係を明らかにする研究が必要とされていることを改めて認識することができました.また調査を通して,輪読やワークショップでは挙げられなかった課題,例えば政策による強制移転問題や政府からの支援の有無の話など,を新たに発見することができたのも現地にいかなければできなかったことで,大変勉強になりました.
浸水高を測る

今回の訪問,とくに洪水常襲地区でのアンケート調査で一番印象に残ったのは,住民の方々がみな楽しそうに暮らしており,時間のかかるアンケート調査にも快く協力してくれたことだと感じています.彼らは収入が少なく,現在の状態から抜け出す自由が与えられていない点で貧困とよばれています.しかし,私が目にした限りでは楽しそうに暮らしており,調査を通して貧困=苦しいという認識との間に一種の認知的不協和を感じることで貧困とは何かという問題の原点に立ち返ることができました.その上で社会基盤が貢献できることとして,アンケート調査でデータを収集したり,流量観測点を増やしたり,ダムを適切に運用する方法を考えたりと,少しずつではあるが着実に状況を私たちの考える「良い」方向に進めていくことが間違っていないことを改めて認識することができたという点で,大変意義のある訪問でした.

もちろん,観光も(少しだけですが)しました.ヤンゴンで一番有名なshwedagon pagodaは最近金箔を塗りなおしたそうで,とてもゴージャスでした!
ブルゾンなつみwithB?

今回の訪問では川崎先生をはじめSATREPSやJICAの先生方,YTUの学生たちに大変お世話になりました.ありがとうございました.
YTUにて記念撮影