Wednesday, August 24, 2016

世界をリードする日本の防災技術と国際展開

【第1回防災推進国民大会 出展企画】
http://bosai-kokutai.jp/exhibition01.html#2-3-2

日時:  2016年8月28日(日)12:30-14:30
会場:  東京大学 安田講堂
主催:  日本防災プラットフォーム
参加登録: http://bosai-kokutai.jp/exhibition01.html#2-3-2(無料)

【趣旨】
 自然災害が多く発生する日本では、被害を最小限に抑えるために様々な防災技術が積極的に開発され、実用化されている。すでにそれらのいくつかは海外でも導入されており、その国の防災力の向上に役立っているが、海外には紹介されていない日本の先端的防災技術もたくさんある。これらの優れた防災技術の海外への展開を進めることは、防災先進国である日本にしかできない非常に貴重な国際貢献となり、産官学がこれの推進に協力して取組むことが重要であることを、広く国民に紹介する。

【プログラム】
 川崎は「ミャンマーの水害と貧困の削減を目指した国際科学技術協力」と題した発表とともに、パネル・ディスカッションに参加します。安田講堂での登壇、かなりビビり気味です。。

 詳細は、以下をご覧ください。
http://wci.t.u-tokyo.ac.jp/kawasaki/jbp_flyer.pdf


【関連イベント】

「災害は貧困を加速する:持続可能な開発に向けた減災・防災の貢献」

日時: 2016年8月27日(土)13:00-14:30
会場: 東京大学 理学部1号館西棟206講義室
主催: 日本学術会議 科学技術を生かした防災・減災政策の国際的展開に関する検討委員会
参加登録: http://bosai-kokutai.jp/exhibition05.html#32 (無料)




Tuesday, August 23, 2016

2016サマープログラム 感想2

社会基盤学科学部3年の塩澤拓斗です。

 先日、投稿した同期の荒木君と一緒にサマープログラム『ビッグデータ時代における持続可能な水管理』に参加しました。僕ら日本人2人を含む20名近くの人数で、2週間かけて水管理について学び、議論するというサマープログラムでした。水管理および地理情報システムについて関心があったため、今回のプログラムに参加することを決めました。

 今回のプログラムについて強く感じたことを2点ほど簡単にまとめて記したいと思います。


 1つ目は、水問題について、じっくりと時間をかけて取り組めることが、何よりもこのプログラムの良いところであるということです。世界の気候変動の背景についての講義を聞き、気候変動をどうやってデータ化してGISで分析するかを実践する。また、実際にダムや外郭放水路を訪ね、水管理の現場を体験する。このように「水」というテーマに沿って、集中して学ぶことができたことは非常にありがたい機会でした。学部の授業では社会基盤においての教養を身につけることに主眼を置いた教育がなされ、学期中の日々は授業の課題によって忙殺されます。自分の興味のある分野について腰を据えて学ぶ機会がなかなかありません。そのため、今回のプログラムは水分野に興味がある自分にとっては、じっくりと取り組める素晴らしい機会でした。

 東京大学社会基盤学科主催のサマープログラムということで、参加者のほぼ全員が土木専攻ということも大きなメリットでした。やはり、土木という共通言語をもって議論することの面白さが今回のプログラムにはあったと思います。僕たちのような学部3年生は、まだ研究室に配属されておらず、そのような機会に恵まれていないため、うれしい機会でした。


 2つ目は、参加学生のバックグラウンドの多様さと学びへの姿勢です。今回は、アジアの学生が多く、特に大学院の学生が多かったです。専門的知識を持っていることに加えて、それを英語でアウトプットし議論することのスキルが非常に高く、何とか議論についていくことが僕にはやっとでした。各人のバックグラウンドの違いによる考え方の違いが議論をより良いものにしていたと思います。僕と年齢の近い学部生も何人かいたのですが、「Ph.Dのアメリカでの取得を考えているよ、むしろ何故君はPh.Dを取るつもりがないの?」というような学部生も何人かいて、学問に対するモチベーションの高さを感じました。日本と海外における博士号の価値の違いはあるにしろ、きちんと自分のキャリアを考えて、かつ、学問に情熱を持っている学生が国外にはこれほどいるのかと感銘を受けました。東大の社会基盤学科は近年は工学部屈指の人気学科であり、優秀な学生が集まってきていると聞きます。実際、優秀であったり器用であったりする人が多いと僕自身も肌で感じています。しかし、「○○についての研究者になりたい」や「世界で活躍するシビルエンジニアになりたい」と豪語する人は多くはありません。海外学生と話す中で、東大の学生ももう少し、土木に対して正面からぶつかってみてもいいんじゃないかなと感じさせられました。


 今回のプログラムは非常に充実したもので、今年の夏の良いスタートとなったと感じています。サポートしてくださった方々には非常に感謝しております。



<2016サマープログラム 感想その1>
http://kawasakilab.blogspot.jp/2016/08/summer-program-2016_13.html

<2015年のサマープログラム報告>
http://kawasakilab.blogspot.com/2015/09/summer-program-727mon-utokyo-hongo.html?m=0




Saturday, August 13, 2016

2016サマープログラム 感想1

  社会基盤学科学部3年の荒木雅弘です。

 2016725日~85日までの約2週間のサマープログラム『ビッグデータ時代における持続可能な水管理』に参加しました。川崎先生が授業中に紹介してくださり、軽い気持ちで参加を決めたのですが、参加して良かったと荒木は思います。活動内容等は専用HPに詳しいですから、ここでは個人的な観点を4つ取り上げます。

 1つ目は、プログラムの構成が良いことです。大学の講義で例えばGISや地球環境学といった個別の内容については学びますし、「現代はビッグデータの時代」という言葉は耳にしますが、どういう機関や技術が関わりあい、活用までどのような流れであるのか、という実際を知りませんでした。JAXA(宇宙航空研究開発機構)は観測データの収集について、DIAS(データ統合・分析システム)の講義では各種データの保存、分析、統合について、ArcGIS(地理情報システム・ソフトウェア)の演習ではデータの可視化について、ICHARM、並びにIFAS(統合洪水解析システム)の演習ではデータの現実への利用について、学ぶことが出来ました。このような上流から下流まで一連の流れを掴めることと、全体の中での位置を理解した上でArcGISIFAS等の技術を実践的に学べることがこのプログラムの最大の特色だと思います。

 2つ目は、英語力の向上です。講義、スライド、資料、プレゼン、そして会話も全て英語でしたので、英語が不得手な身としては苦労しました。ですが、2週間もすると少しは英語が基本の生活にも慣れるようです。英語を既に得手としている人には関係ない観点ですが、そうでない人はこのような機会を1つのきっかけに出来ると思います。

 3つ目は、各国の事情の違いを直接聴くことができ、バックグラウンドの違う人達とグループワークをする体験ができたことです。例えば、中国内陸部から来た方は「課題は環境変化による極度の大雨や洪水についてだが、そのような状況も、それについての技術も全く知らない。僕らは環境変化による乾燥と水不足に対処しようとしている」と、アフガニスタンから来た方は「国際河川の共同管理は非常に難しい。日本は先進国だが、僕の国は発展途上だから、今後も水の利用は増加する一方だ。そんな中で確たる約束が出来ると思うかい?」と、フィリピンから来た方は「外郭放水路と似た計画があるけれど、ここまでの規模のものはお金がなくて出来ない。ASEAN等のファンドを取り付けるのが困難なのよ」とおっしゃっていました。扱う数式などは共通でしたが、学んできたこと、価値観、そして常識としているものはやはり少しずつ異なっており、そのような人達と議論をして、コンセンサスを取り、共同して成果を出すというのは想像以上に大変でした。上手くもいきませんでした。しかし、将来は異なるバックグラウンドの人達と一緒に仕事をする確率の方が高いでしょうから、今の段階でこのような経験を出来たのは、慣れという意味でも、これを当たり前と考えるという意味でも、とても良かったと思います。

 最後に。海外の同年代の人達と一緒に2週間を過ごして、彼らの熱心さ、探求心の強さをよく感じました。例えば、ArcGISについては必要なツールということでYouTube先生に学ぶことが当たり前のようです。基本的な能力に差はないと思うのですが、取り組み方が異なっていました。分野は異なってきますが、あの姿勢は見習います。

 ICHARMのスタッフの方や先生方が「日本主催のプログラムなのに、多数参加して学んでいくのはほとんどが海外の学生。国で対抗する必要はないが、せっかくの機会だから日本人も活用すればいい」とおっしゃっていました。良い体験をさせて頂いた荒木もそう思います。おそらく来年以降も同種のプログラムは開催していただけるでしょうから、少しでも興味のある方は参加することをお勧めします。
 

<2016サマープログラム 感想その2>
http://kawasakilab.blogspot.jp/2016/08/summer-program-2016_23.html

<2015年のサマープログラム報告>
http://kawasakilab.blogspot.com/2015/09/summer-program-727mon-utokyo-hongo.html?m=0


  

  
  

現地調査@アヌラーダプラinスリランカ その2

沖研究室の修士1年神谷です。引き続きの投稿になります今回は、8月12日(こっちの時間では今日です)の活動についてです。

今日は午前中から公共機関・政府機関の方と面会し、自分たちの研究や現地における問題に関しての情報交換を行いました。どこを訪れても見るからにお忙しい中、我々の研究に絡んで非常に積極的に意見を出してくださいました。
まずはNational Water Supply & Drainage Board(≒水道局)の方々との面会。
コンピュータソフトを積極的に活用する非常に先進的なオフィスでした。
こちらはDistrict Secretariat(≒県庁)の方々との面会。
こちらの方々が現段階で取り組んでいらっしゃる災害対策に関して非常に面白い話が聞けました!
District Secretariatで災害対策を担当されている方(左)にデータを提供してもらうGouriさん(中央)。
右の男性は今日一日ずっと案内を務めてくださった方です。

その後昼食をはさみ、午後は街中を案内していただきました。アヌラーダプラはスリランカの中でも古くから仏教都市として栄えた地であり、1000年以上前に発展した灌漑技術は中国や日本にも影響を与えたといわれています。そのため今でも仏教や灌漑に関する様々な歴史的遺産が残されています。
また、アヌラーダプラは五月の洪水での浸水がひどかった地域でもあり、この日は河川の近くに住んでいる家々を訪ねてみました。昨日訪れた村とは異なり、選択や水浴びなど河川を利用した生活を送っているようでした。

Kuttam pokunaという沐浴場。古くからの灌漑技術ともかかわっているようです。
通り過ぎただけですが、Thuparama DagobaとJetavanarama Dagoba
遠くからでもよく見える仏教遺産です。
川の近くに住む方との交流。
5月の洪水の際は膝の高さほどまで水位が上昇したようです!

今日感じたこととしては、なんといっても人との交流は研究に非常に大事であるということです。様々な立場の方々の意見を伺ってみると、得られる情報の種類はかなり違ってきますし、地域住民の方々の純粋な意見は研究の方向性を正す事にもつながっていると思います。

明日はまた別の村で活動を行う予定です。どのような風景に出会い、どのような新発見が得られるか、楽しみにしたいと思います。

Friday, August 12, 2016

現地調査@アヌラーダプラinスリランカ その1

アユボワーン! ←スリランカのことばシンハラ語で「こんにちは」

今回の投稿は、生産技術研究所沖研究室の修士1年の神谷が担当させていただきます!

コロンボでの朝ごはん。右手で食べます。
映っているもの二人分すべて合わせて300円以下!!

今夏学期、川崎先生担当の少人数セミナー「災害と貧困、持続可能な開発を考える」を受講し、災害に対し脆弱な貧困地域における防災についての議論に参加させていただいた縁で、この8月11日から13日まで(移動を含めると9日から15日まで)川崎研究室の博士課程学生Gouriさんのフィールドワークに参加させていただいています。その模様をわたくし神谷が当ブログで報告させていただきます。

8月10日。川崎先生とともに国際空港のあるコロンボからバスで北中部のアヌラーダプラへ移動。

移動中のバスからの風景。都会の道路は車やバイク、スリーウィラーでぎっしり!

スリランカに到着して一番驚いたことは、なんといっても車の運転の荒さ。車が次々に追い越し追い越されを繰り返し、なぜ一台とも接触しないのかが不思議なほど。常時鳴り響くクラクションによってお互いコミュニケーションをとっているようですが、ハラハラドキドキのバス旅(しかも8時間!)でした。

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8月11日。この日はGouriさんとその旦那さんSamalさん、さらには地元の大学生の方々などの協力も得て農家のアンケート調査。洪水や旱魃が家計にどの程度影響しているのかを解析するためのもので、今年の5月に発生した非常に大規模な洪水に関しても質問をします。事前の準備や地元の方々の協力のおかげで、村役場のようなところを訪ねるだけで農民の方々が集まってくださり、予想以上にスムーズに調査が進みました。

このように、農民の方々が集まってくださいました。コミュニティ力の強さを感じます!
川崎先生(左)に役場の壁に貼ってある図の説明をするSamalさん(中央)とGouriさん(右)。
Samalさんはなんと同専攻の羽藤研究室の博士課程の学生さんです!!
地元の大学生たちと交流する川崎先生。
学生さんたちは皆卒業間近の4年生で、忙しい中調査に協力してくださいました!
調査後にキングココナッツで水分補給。写真のように中身を飲んだ後は表面を削って食べます。
先生「普通のココナッツよりさっぱりしておいしい!」
Samalさん「だってキングココナッツだもの!」

調査をふりかえると、家の頑強さや水道設備の普及など思ったよりインフラが充実している印象でした。しかし実際に話を聞いてみると、作物価格の変動野生の象による被害(!)など、いろいろな悩みを抱えているようです。2枚目の写真のように、役場では村の人々に関わる情報や農業に関するカレンダーなどが掲示されており、非常にコミュニティ力の強さを感じました。

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おまけ。村の女性と記念撮影。この国の民族衣装は色とりどりでとても惹かれます。
こういった衣装の文化は今後も廃れず長く続いてほしいですね。。。

つづく。






Tuesday, August 9, 2016

Coordination for Telemetry Observation Site Selection – 11 July 2016

The telemetry system for Bago River Basin was planned to have 5 weather stations and 3 water level gauging stations. The first weather station was already installed in Zaung Tu Weir. Four weather stations are pre-selected to be on Zaung Tu Dam, Salu Dam, Shwe Laung Dam, and Tawa. Three-water level gauging stations are pre-selected locations on Zaung Tu Dam (downstream), Tawa, and Kalawe Bridge. 

The coordination was attended by Daw Ei Ei Su Mon (Staff Officer, DMH), U Min Oo (Deputy Director, DHPI), U Myo Tint Htun (Assistan Director, DHPI), U Oo Kyaw Aye (Staff Officer, DHPI), Dr. Aung Than Oo (Assistant Director, Irrigation & Water Utilization Management Department – formerly Irrigation Department), U Aung Kyaw Hmuu (Director, DWIR), U Kyaw Naing Oo (Assitant Director, DWIR), and U Htay Aung (Deputy Director, Bridge Department – Ministry of Construction). The aim of the meeting was to finalize the location of the observation sites, potential date of succeeding installation, design of stilling basins for the floating-type water level gauges.


The group was able to agree to the selected sites for the observation systems. The locations of the weather observations were easily finalized. Major discussion points were the location of the water-level gauging stations due to the construction and design of the stilling basins necessary for the floating type gauging stations. The Zaung Tu dam water-level gauge to be under DHPI was identified to be situated just downstream of the confluence of the dam outflow and small tributaries of Bago River. The Tawa water-level gauge to be under Irrigation Department was previously identified in a site visit to the area and was confirmed in this meeting. The Kalawe Bridge installation to be under DWIR was also confirmed in conjunction with the proper request for permission from the Bridge Department under Ministry of Construction. U Htay Aung served as the representative from the Bridge Department and confirmed an initial understanding with the group in requesting proper permission from the Ministry of Construction for the installation of observation system on the bridge.


Coordination Meeting at YTU with ID, DWIR, DHPI, DMH, and Bridge Department - MoC
The group discussed the potential succeeding installations and limitations of the departments in supporting the installations. The main problem for the succeeding installations was access to the sites as the sites are mostly accessible by boat only during the rainy season. Other concerns include budget request limitations of the agencies. Due to the constraints, the group agreed to potentially proceed with the succeeding installations by the succeeding dry season around January. The time is also needed to prepare proper request permissions, some budget requests of departments, and design of some related structures primarily for the floating-type water level gauges.

Regarding the design of the stilling basins, a lot of concerns from the group were primarily focused on the sedimentation problem if the structure will be built near the riverbank. In addition, foundation design of the structure is also a big concern with regards to the softness of the material on the riverbank and the height of the structure due to the large water level variation in the site location. Dr. Aung Than Oo of ID shared his experiences with the group on the design of the stilling basins. The group concluded on a specific understanding regarding the design and the need for flexibility of the design based on the potential problems we might in encounter on site after installation. The group concluded to enhance further collaboration in designing the stilling well to ensure the long-term effectiveness of the observation system to be installed.