生産技術研究所・沖研究室所属の佐野太一です。
投稿が遅くなってしまいましたが、6/12~6/17に川崎先生のご厚意で参加させていただいた、ミャンマーの現地調査の報告をさせていただきます。
12日は移動日だったので、実質的な活動初日である13日にはヤンゴン工科大学(以下YTU)に訪問しました。YTUではキャンパス内を見学したのち、YTUで社会基盤を学ぶ学生と貧困問題に関するワークショップを行いました。私は同期の石川くんとともに少人数セミナー「貧困問題への社会基盤の貢献を考える」で読んだ本を紹介しました。私の担当した本は『Poor Economics: A Radical Rethinking of the Way to Fight Global Poverty』です。
実はこの本すごいんです!
Poor Economicsは2011年にMITの経済学者であるアビジットバナジーとエスターデュフロが書いた本で、2019年現在では一昔前の本という感じですが、貧困問題を技術的な観点ではなく社会心理学や行動経済学的な観点から議論しています。最近では日本でも政策決定の場面などでNudgesをはじめとした社会心理学的なアプローチが注目され始めていますが、2011年の段階でそういったアプローチに注目して貧困問題を議論しているというのは本当に先見の明があるなあと思います。しかも著者のお二人はちょうど一昨日(2019/10/14)、ノーベル経済学賞を受賞されました。貧困問題の文脈に厳密な統計的実験手法を導入した功績が認められたそうです。『Poor Economics』は日本語訳も出ているので皆さんも是非、この機会に読んでみてください!
YTUでの発表の様子
本の紹介が長くなってしまいましたが本題に戻りましょう。
14日から17日までは川崎研究室の先輩方の調査の手伝いとして、ヤンゴンとバゴーの農村部の調査にも参加させていただきました。調査方法は住民の方にインタビューを行うというものでしたが、どの住民の方も快く家に上げてくださり、丁寧に色々なお話を聞かせてくださいました。もちろん我々はミャンマー語はわからないので調査にはYTUの学生が同行し、通訳してくれました。
私はこういったインタビュー調査をしたことがなく、またアジアのいわゆる貧困地域にも訪問したことがなかったので今回の調査では初めての経験も多く緊張していましたが、住民の方々も、YTUの学生も皆さん本当に優しく、快く調査を手伝ってくださったので良い経験になるだけではなく、本当によい思い出にもなりました。
調査の様子
ここまでワークショップや調査について書いてきましたが最後に少しだけミャンマーの食事についても書きたいと思います。ミャンマー料理というと皆さんどんなものを思い浮かべるでしょうか?正直、私はミャンマー訪問の前には全くイメージがなかったです。それどころか過去にパキスタンでお腹を壊し一ヶ月間下痢に苦しめられたという非常ににがーい経験もあり、少し食事を恐れていました。パキスタンでの失敗は調子に乗って屋台の食べ物を食べるなど危機管理ができていなかった自身の責任ですが...。(苦笑) しかしミャンマーの食事どれも本当に美味しかったです。イメージとしてはタイ料理と中華料理の中間のような感じでスパイシーかつ油っこい料理で刺激たっぷりですが、そういった食べ物が好きなら最高です。
ドリンクはアボカドジュース(!)
最後になりましたが、今回の貴重な経験をさせてくださった川崎先生、川崎研究室の皆様、またミャンマーで親切にしてくださったYTUの学生や住民の皆様、ワークショップをお手伝いいただいたJICAの皆様、本当にありがとうございました。
最後までお読みいただいた皆様もありがとうございました!
生産技術研究所 沖研究室
B4 佐野太一