川崎研B4の安藤貴仁と申します。
本日は去る11/21(月)~11/25(金)に行われたWEB-DHMという水文モデルのtraining courseの模様をお知らせします。
WEB-DHMというのはWater Energy Budget - Distributed Hydrological Modelの略称で、その名の通り質量保存のみならず、エネルギー収支にも裏付けられたより正確な水文モデルとなっております。
©Wang, 2009 |
もちろんその分計算量は多くなり、かつては1つの流域の流量を求めるに100時間はかかったのだとか。。。
その中でも特に時間を要するのはデータの準備で、計算自体はC言語を用いれば安定しているので早いそう。(ま、そのC言語自体がわからない問題は別として(笑))
そこに白羽の矢を立てたのが我らが川崎先生! ArcGISの専門家である先生は、その計算ツールをくまなく用いて、算出時間をなんと約1/10も短縮してくださいました!
川崎先生講義の様子 |
で、そのデータ準備ツールがこちらで、数値標高データと土壌データさえ手に入れてしまえば、ツールに従ってWEB-DHMの計算に必要なデータがほとんど手に入ります!
WEB-DHM Toolbar |
エネルギー収支計算ということで、他にも蒸発散量の計算に必要な長短波放射量等のデータをUCARのサイトからダウンロードする必要があるのですが、それらも用いて、慣れないC言語を少しいじって、できたハイドログラフがこちら!
ハイドログラフ |
まだまだ較正・検証が必要ですが。。。
また、2日目にはこのモデルのコンセプトの発案者である小池先生がこのモデルの「心」というのを貴重な時間を割いて説明してくださいました。こういうモデルを使うときに、我々エンジニアはどうしても計算結果の正確さだけに目が行きがちですが、やはりその裏には製作者の「思い」があり、それを理解して研究に臨むのが、エンジニアの中でも人とかかわる機会の多い、civil engineerのあるべき姿勢なのかもしれませんね。
小池先生の講義 |
僕からはこんな感じです。まだまだツールに改善点があったりとか、氾濫モデルとの結合が難しかったりとか、問題点は山積みですが、とりあえずこのモデルを用いて卒論を書く以上、頑張ります。